院内改修工事中です。
- 2025年1月6日
- クリニックのお知らせ
2025年を迎えました!あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
今年の2月で開院4年目を迎えますが、今年はまず院内改装工事からスタートする形となりました。
おかげさまで当院は連日多くの患者様に来院いただいております。
院長の私もスタッフも一枚岩となり、皆様に信頼されていると考え連日がんばっているつもりですが、やはり一日に診療できる人数には限界があると感じておりました。
超過勤務が続くのに、でも文句も言わず頑張っているスタッフをみて、院長である私が何か決断しなくてはとずっと思っておりました。私の診療ぺースが遅いのはわかっているのですが、なかなか速くはできません。
というのは・・・。
私は若いころ、大学院で研究をしているときに、あちこちの耳鼻咽喉科の病院や耳鼻咽喉科開業医の先生のお手伝いをしてきました。近畿二府四県すべてで、あとから数えたら、西に東におよそ30件程度の耳鼻咽喉科の病院や診療所に行ったことがあるようです。一回行っただけで終わったところもあれば毎週勤務したところもあります。それぞれ特徴がありました。
その中で印象に残っているのは、一度だけ、大阪の南のほうの病院の先生の土曜日の代診にいったときです。かなり忙しい病院だと言われていたので覚悟して行ったのですが、初めて行ったときに、その病院の事務長さんが若い私をみて、
「当院は土曜日は午前診だけで150人から200人程度患者さんが来られる、それを朝9時から12時までに診察を終えてほしい」
と言われました。すなわち一人あたり1分程度の診察時間ということになります。もちろんカルテを書く暇もほとんどありません。不慣れな病院でどんな薬を在庫されているかも把握しきれず、ひたすら診察をして、何とか180人を12時過ぎに診ることができましたが、帰り道、心身ともにものすごい疲労感でした。その当時は、これぐらいの患者さんを連日診ておられる耳鼻咽喉科の先生は多くいらっしゃったようですが、私には無理だと思いました。
このときから、やはり患者さんには納得いくようにきちんと説明して薬を考えて、カルテもきちんと書いて後から病状が把握できるようにしておきたいと思うようになりました。が、そうすればそうするほど一人あたりの診療時間が長くなります。すると、あとで待っている患者さんから遅い、何をしているんだと大声でクレームがきます。待たされているほうからしたら、中で医者がのんびりコーヒーでも飲んでいるんじゃないかと思うようです。紙カルテを書く字はどんどん走り書きになっていき、自分でも読めない字になっていきます。本来のんびり屋の私には、多くの患者さんを診察する耳鼻咽喉科を選んだのは失敗だったかもしれないと思うこともありました。
が、工夫をすることで、より多くの患者さんに多くのことを伝えることができるんではないかと最近考え始めています。医師でないとできない仕事はきちんと自分がして、医師でなくてもできる仕事はほかに任せてしまうこと。幸い当院は優秀なスタッフが揃っていて、みんな勉強家です。十分私をサポートする人材がそろってくれているため、これに甘えて分業して、診療を効率よくすることで、患者様だけでなく、スタッフも私自身も幸せになれるかなと思っています。
私は時間がたつのを忘れるぐらい仕事をするのが大好きで、勉強をするのも全く苦になりません。この仕事に就かせてもらった亡き両親に本当に感謝しています。でも現実は、開業してから毎日帰宅は夜遅くで、娘は知らないうちに小学生から高校生になってしまいました。好きなピアノも読書もする時間がない。以前のように自宅のささやかな庭でお花を育てることもできない。家の中を片付ける暇がない。体力勝負。これでは人生楽しんでいるとはいえないと思いました。
この状況を打ち砕く何かきっかけになれば、と思ってその第一歩としての院内改装工事です。まだまだ新しいきれいなクリニックでしたが、私なりに効率よく自分らしい診療ができるための何か転換点となればと思い、決断しました。
年末や年始の医療が受けられない時期に工事で休診が続き、皆様にご迷惑をかけていますが、リニューアルするまつもと耳鼻咽喉科を、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
(文責松本あゆみ)